顧客からのNO

自分がペーペーだったころ、よく耳にしたのは「顧客のニーズに合わせた最適なソリューションをスピーディーに提供」とか、日本語なのか英語なのかよく分からん言葉を聞いたもの。オッサンになると意味はよく分かるのだが、そう言っていた業界がクラウドがどーのとか言っていることに凄く違和感を感じる。
というのも、「お客様の問題を解決する最適なシステムを作りますよ」と言っていたIT業界に、顧客がNOを突きつけたのではないか?と思えてしまう。
高い金を出して作って、ボタンの配置や画面の調整などちょっと気に入らない部分を変更してよと言うとすぐに「×××万円です」とか、「それは仕様変更ですね」等々。さらには、「協力会社と一緒に作ります」=下請けへ丸投げ。顧客側からするとふざけんなというような状態だが、業者からするとさもありなん。
いろいろ事情があるのは分かるが、顧客にはそんなことまったく関係ないのでやっぱりとんでもない業界。
最初はフルオーダーメイドで目の飛び出す金額が動いていたが、ダウンサイジングの波に乗って低価格化、クラサバからWeb化、パッケージのカスタマイズ等で費用や納期をおさえるようにしていたが、結局これって「コンピュータシステムにそんなに金かけないよ」という顧客からのアピールだったと思う。
で、行き着くところがクラウド
結局、「言うことの通じないSIerはいらんから、名だたる企業で安定稼動しているシステムをインターネット経由で使うよ、そのほうが安いし。え?ノウハウ?おたくら丸投げしてて何の技術ももって無いじゃん、Googleなんか24時間365日安定稼動しているように見えるよ?この値段でできんの?」ということなんだと思う。だからこそSIerも大変だな…というか、SIerに今後はあるのか?と思ってしまう。
特に致命的だと思ったのが、「我々の業務のプロセスを(クラウドに合わせて)変えなければならない」とか顧客側が言い始めているところ。今までは、「ウチらの業務はこうだから、そうしてもらわないと困るよ」といっていた人たちの言うことが180度変わっているのが恐ろしい。